環台を伴う尖台は六角形に削り出され、細長く伸びた口部と、肩部でいったん張り出した後に緩やかに窄まる胴部の一側に把手を付けた、典型的な浄瓶の姿を示す。浄瓶とは、仏教儀礼において手を清めるための浄水を入れる水瓶であり、高麗時代を通じて青銅器および青磁によって数多く制作されたが、これほど均整のとれた優品は稀少である。釉色は淡い緑青色を呈し、全面にわたり無数の貫入が走る。高台内面には、粘土を混じえた耐火土製の台を用いて焼成した痕跡が認められる。すっきりとした端正な姿の本作は、青磁の最盛期にあたる12世紀、康津沙堂里窯において制作されたものと推定される。